
畑の畝の作り方、畝作りは家庭菜園における野菜作りの基本作業です。
でも、「畝作り」なんて聞いたことがありますか。
大きな美味しい野菜を育てるには欠かせない作業です。
- そもそも畝(うね)とは、畝立てとは何か
- 畝を作る効果、畝を作らないとどうなるのか
- 畝作りは、排水性、通気性、根の成長に欠かせない作業
積雪の多い東北南部で20年以上、100坪程度の家庭菜園をやってきたおじさんの経験から、野菜作りで必ずチェックしておくべき、野菜作りは畝作り、畝作りは根作り、根が自由に成長するには欠かせない作業であることを解説しています。
まずは知ることで準備をして、自分で実際にやってみることができます。その結果、大きな美味しい野菜を作ることができれば、必ずやってよかったということになりますよ。
― 目 次 ―
1.畝作りの目的、排水を良くする、根を張りやすくすること
畝(うね)を作る目的は、排水を良くすること、根が張りやすい土の環境を作ることです。
野菜成長の基本は根にあり、根が良く伸びることで地上部も育ちます。根に欠かせない空気、養分の供給がしっかりとできるような土の役割、それが畝です。
そもそも畝とは、畝立てとは何か
野菜作りの基本は「畝を立てる」ことから始まる重要な作業です。
畝(うね)とは、畑で野菜を育てるときに、種をまいたり、苗を植えつけたりするベッドのようなもの。畝の形状、断面をみると、台形のように土を盛り上げて作ります。畳の上に布団を敷く根床のようなものは平畝、ベッドは床面より少し高くなるので高畝ともいいます。
平畝、高畝、畝の作り方は人それぞれ、私の場合は細長く高畝で平行して何本も作っていきます。このように土を盛り上げ畝を作る作業を「畝立て」と云います。

2.畝を作ることで期待できる効果は大きい
- 土を盛り上げることで排水性が良くなり、余計な水がたまらずジメジメしない
- 通気性を良くすることができ、根に必要な酸素が十分確保できる環境ができる
- 根の育つスペースが確保でき、根が自在に張りやすく育ちが良くなる
- 通路と育てる場所が区別できることで作業性が良い
- 畝ごとに野菜の種類が区別でき、作業計画や管理などがやりやすい
水はけが良くて畝を立てなくても良い畑はごく一部です。地面よりも少しだけでよいので、土を盛り上げて野菜を作る効果は絶大です。
ただし、畝の作り方にもよりますが、畝立て作業はたいへんです。畝には雑草も生えます。野菜によっては根の張り方がちがうため、平畝、高畝に向いた野菜もあります。
でも、畝立てをしないことよりも、畝を立てることで得られる効果の方が大きいです。
必ずしも、低い平畝は何cm、高畝は何cm以上とはないですが、土を盛り上げ少し高くすることで排水が良くなることは間違いないです。
畝を作ることで通路の面積が増え、収獲する株数が少なくなり畑の有効活用ができなくなる。そんな心配よりも畝を作ることで育てた野菜は格段によくなります。


3.畝を作らないと、生育にムラがでやすい、収穫量が違います
畝作りは重労働です。畝を作らないで栽培ができればベストですが、畝を作らないと良い生育は期待できないとも云われます。まったく畝無しで平地に種を撒いたり苗を定植して野菜を作った経験はありませんが、収穫量は小ぶりでばらつきが大きいような気がします。
理由は、土の通気性と排水性にあります。畑を耕し、そのままにして何回か降雨にあうと、耕す前と同じように土が締まり硬くなる。場合によっては凸凹に雨水がたまってしまいます。
それなりに適当に台形状の畝を作り高くしておくと、台形の上の部分は土が締まりません。早く乾燥します。野菜の根にとっては、通気性と排水性の良い状態が保てます。
梅雨や台風などの長雨、排水が悪いと根腐れにつながります。
野菜の根にとって酸素を多くとりこむことができる通気性、根に必要以上の水がたまらい排水性は野菜を育てる重要なポイントです。
畝を作れば大幅に収穫量が多くなるということではなく、畝を作らないとそれなりの収穫量で終わってしまうことが多い気がします。ならば畝を作ったほうが良く、大きく重いずっしりとした野菜が期待できます。


4.畝作りとは、根が呼吸するのに欠かせない環境を作ること
野菜を育てるには水はけの良い土が好ましいです。なぜならば、野菜の命は根にあります。
水はけの悪い土に水がたまってしまうことで土の中に空気がなくなり、根が呼吸できなくなります。
畝作り最大の目的は排水性を高めることです。なぜならば、野菜の成長ポイントは根の生長にあります。
梅雨や台風、秋の長雨、野菜にとっては厳しい環境下におかれ、とりわけ心配なのは畑の水はけです。
水はけが良い土とは、水が通りやすい土、水をため込まずに流れていくような土。
水はけの悪い土は、水が通りにくい土、時間がたっても余計な水がたまっている状態の土。
だいじなことは余計な水がたまらないこと。
雨量が多くなり、平らな土にそのまま植えた野菜の根は、長時間水に浸りすぎると根腐れがおこりやすいといわれます。原因は土の中の空気がなくなり呼吸ができない。
これは畝を高くすることで避けることができます。

畝を高くすることで、水は上から下へと流れます。畝の上は通気性がよく乾きやすいです。
よって、水はけの良い土を作るには畝作りがたいせつな作業であり、野菜の根が自在に伸びるには欠かせない環境といえます。
水はけが良い土か悪い土か、判断の目安は多量の雨があった時に、畝と畝の間に多量の水たまりができます。雨が終わった後に水が無くなるまでに要する時間がポイント。
私の畑は半日から1日程度で水はなくなります。この程度であれば大丈夫です。
3日目で水たまりが無くならない場合は溝を掘るなりして早めに排水をしてください。
5.まとめ
畝を作ることは重労働、たいへんですがその効果も大きいです。
作らないよりは畝を作って、美味しい大きな野菜を収穫しましょう。
畝を作ることで通路幅の面積が増え、野菜の育てる株数が減ってしまう。
こんな心配は不要です。畝を作ること、すなわち野菜の命である根が張りやすい環境を整備すること。野菜の生育は格段に良くなります。
畝を作らないと、排水に問題が発生する場合が多くあります。高畝にして、水はけを良くすることで、根に必要な酸素が多くなり野菜はのびのび大きく育ちます。
ご訪問いただきたいへんありがとうございました。