化成肥料の量、目安は手づかみで十分、適量とは最小限が鉄則です

肥料の疑問は多いですが、

  • 与える肥料の目安とは、なにを基準にどの程度の量を与えるのか
  • 追肥、手でガッシリつかむのと軽くつかむのでは、量が変わってしまう
  • 元肥と追肥、野菜の種類によって違う肥料を与えねばならないのか
このような質問が多くみられます。

さらには、1㎡あたり150gの施肥量とは、肥料成分によっては1,000~2,000g/㎡を与えることになります。この意味するところはお分かりでしょうか。(答えは8-8-8や14-14-14、成分量の違いが施肥量の違いになる)

ここでは、

  • 化成肥料の与える量とは、何を基にして決めればよいのか
  • 肥料の与えかたは、4つの原則が最大のポイント
  • 与える肥料、手ばかりで自分の目安の量を知ることが大切
  これらについて説明をいたします

積雪の多い東北南部で20年以上、100坪程度の家庭菜園をやってきたおじさんの経験から、もっとも重要な肥料の与える量について説明しています。

この記事を読んでいただければ、与えかたのポイントや与える量について知ることができ、迷わないで元肥や追肥ができるようになりますよ。

1.化成肥料の施肥量、最小限にすること、これが鉄則

化成肥料を畑に混ぜこむ場合、適量が判らなければ、最小限にすることです。なぜならば、多くの量を与えてしまうと、窒素成分などで「つるぼけ」や「肥料やけ」が発生します。

たとえばサツマイモの「つるぼけ」、つるは太く大きくなり、葉数も多いですがイモは小粒で数が少ない。見た目は立派で安心していると、窒素過多で茎葉だけに養分が行きすぎてしまい、イモは小さくて、収穫する量が少ないです。

「肥料やけ」とは、野菜が急激にしおれたり、極端だと枯れてしまいます。

なぜならば、肥料を多く入れすぎたことで、株の周りの土が高濃度になり、低濃度にすべく根から水分が流れ出てしまう。根から水分を吸収することができなくなり、いっきに野菜がやられてしまいます。(野菜に塩をふりかけ、水分を抜く方法、漬物と同じ原理)

肥料を適量にすること、最小限にすること、簡単ではないです。なぜならば、大きく立派なものをたくさん収獲したい。この心理が働くからです。

大きくしたい呪縛から逃れるには、他人と比較しないこと、たのしく楽に育てて新鮮な野菜を食べること。ささいなことですが、鉄の意志を持たないと意外とできないたいへんなことです。

[ 施肥 (せひ) : 肥料を与えること、 施肥量 (せひりょう) : 肥料を畑にまく量 ]

2.肥料が最適量に達すると、その後いくら与えても収穫量は増えない

肥料の適量とは、どの程度与えればよいのか難しい。与えれば与えるほど収穫量は増えるのかというと、そうではありません。

  • 収量漸減(しゅうりょうぜんげん)の法則、与える量を増やしていくと収穫量も増えますが、最適量を超してしまうと、いくら与えても収穫量は増えない。逆に収穫量は少しずつ減ってきます。与えるにも、ほど良い量があります

  • リービッヒの最少養分の法則、野菜の生長はいちばん不足している栄養分に左右される。その栄養分を与えないかぎり、他の栄養分を与えても効果が無い。すなわち、ひとつの養分ばかりを与えるのではなく、すべての要素をバランスよく与えることが大事

肥料の与えかた、ほんらいは土壌診断の結果を基に、施肥設計を行い、与える量を決めます。でも、家庭菜園は楽に簡単がベスト。そのためにも肥料は適量でよい、判らなければ最小限に、これが鉄則です。

適量とは必ずしも「ちょうどよい量」ではありません、これほど難しい量は無いです。野菜がそれなりに収穫できれば素直に最適と思えばよい。だいじなことは、多くやらないこと、できるだけ少ない量を心がけること、これを意識して作業ができれば習慣につながります。

( 有機肥料 )
(有機は軽い、少し多めで可)

3.肥料の与えかた、4つの原則を押さえておくことが最大のポイント

  1. 野菜に必要な養分を   (窒素、りん酸、加里などの成分が入った肥料)
  2. 必要とするタイミングに (元肥は種まきや苗の植えつけ一週間前、追肥は適宜)
  3. 必要とする量を     (適量、多くしない)
  4. 必要とする位置に    (全面にまく、溝に入れる、株から遠ざけるなど)

たとえば、ナスは収獲期間も長いので肥料分が多く必要です。元肥は化成肥料8-8-8ならば、1-2週間前に1㎡あたり100~200g程度、適当にひとにぎり40g程度を3~4回、畝に溝をつくり入れていきます。

追肥は化成肥料8-8-8ならば、5本指でひとつかみ20グラム程度を、株の手前と反対側にパラパラ、両側で40グラム程度。2~3週間おきに、株からだんだんと遠ざけ、マルチと土の間、畝と畝の間などにひとにぎり 40-60g/㎡ 程度をまき散らします。

1~2回目の追肥だけはマルチをはがすか、マルチの上から穴をあけて押し込み土をかぶせます。以降は、通路などにまき散らして十分です。

肥料の種類は人それぞれですが、元肥は緩効性の有機質肥料が長持ちします。追肥は速効性のある化成肥料です。めしべが、周りにある黄色いおしべよりも長ければ肥料は足りています。

上記のような感じで、4つの原則を押さえながら与えてゆくことが大事なポイントです。

元肥 (もとごえ)     : 種まき、苗の植えつけ前に、あらかじめ肥料を与えておくこと

追肥 (ついひ、おいごえ) : 野菜の生育途中にあたえる肥料

( ナスの花の肥料効果 )
( ナすの追肥、穴に8-8-8をいれる )
( ナス追肥 通路に888をばらまく)

4.肥料の量、手でにぎれる量を目安に、経験値で与えてよいです

元肥なり追肥なり、手で握れる量、つかめる量を目安にして、必要な位置にまいていく、あまり難しいことは考えないこと。なぜならば、肥料の与える量は、畑によってすべて違います。正解は無いです。

ほんらいであれば、今までに与えた肥料成分がどの程度の残っているのかを考慮しながら量を決める、これが正解です。素人には無理です。

初心者の方は別にしても、収穫までの過程をいちど経験すれば、失敗や成功、それを基に積み重ねて行くことで十分。判らなければ隣の畑や先輩方にきくこと。肥料の与える量は、いくら立派な本を読んでもいまひとつ。よくも悪く経験値こそが最大の適量であると信じます。

与える量の説明を適切にするのは、たいへん面倒です

ジャガイモ肥料の与えかた、有名な先生のホームページの例ですが。30㎝間隔にて30gの化成肥料をイモの間に置く。1回目追肥は化成肥料を1株ごとに30gを周りにまく。2回目追肥は、畝の両側に30g/㎡まく。

◉この説明を補足をします、

  • 化成肥料の窒素、りん酸、加里の成分量が判りません。肥料の成分量が 8-8-8(窒素8%、りん酸8%、加里 8%)であれば、元肥にあたえる30gとは375g(30÷0.08)になり、14-14-14であれば214g(30÷0.14)です

  • 1mにすると、イモ3個分、単純に375g×3 = 1125g これは多いです
  • 1回目の追肥 30gは8-8-8の肥料で375g 1株の周りには多過ぎです
  • 2回目の追肥 畝の両側で30g 375÷2=185g 片側1m 185gと多い 


ちなみに、東京都の基準量は、化成肥料 8-8-8で1㎡あたりの元肥は188g、追肥は1回あたり30gです。有名な先生との比較では半分以下の量になっています。

たぶん有名先生は、それなりの化成肥料で30gを基準にしてまいてくださいという趣旨。でも、解釈によっては元肥30gが375gにも214gにも変わってしまいます。

ケチをつけるわけで有りませんが、それだけ説明はたいへんでもあり、このような説明が多いのも事実です。

種の有名なメーカーさん、袋裏に記載の成分量を問い合わせたら営業担当者は答えられませんでした。その程度のレベルも在ります。

NHKのテキストでは、特にこだわりのない場合は8-8-8の肥料と明記しています。

( ジャガイモの畝 )
( ジャガイモ元肥 堆肥の上に8-8-8  )

5.都道府県単位での施肥基準が、肥料を与える量の目安になる

野菜に必要な量とはどの程度なのか、標準量とは、なにを目安にすればよいのか。

各都道府県単位ごとに作物の施肥基準を作成しており、プロの農家さんなどが肥料の与える量を決めているようです。

( 農林水産省 都道府県施肥基準等はこちらを参考にしてください )

下の表は、主な都道府県の施肥基準量から、化成肥料8-8-8の与える量を試算しました。

[ 元肥のみ、1平方メートル、(1m×1mの面積)あたりの量、単位はグラム ]

[ 追肥の全量、追肥回数は各県毎に違います、1㎡あたりの量、単位はグラム ]

各都道府県のホームページを調べれば、すべての野菜ではないですが基準量が分かります。

施肥基準とは、一定の収穫量を得るのに必要な肥料、県内統一の基準として示しています。
とうぜん、気象条件、露地、ハウスなどの栽培条件を考慮して量を加減する必要があります。

施肥基準量に対して皆さんから聞こえてくるのは、

  • 示された量の半分以下しか与えていないが、立派な野菜が収穫できている
  • 示された量の3倍ぐらいの量を与えているが、特に問題があるとは思わない

私の畑も野菜によっては2~3倍以上の量を与えていることが分りました。問題があるという認識が薄いのかもしれません。でも、ピーマンの葉の裏のアブラムシ、ナスの葉に異常付着したアブラムシ、ハクサイの根こぶ病(リン酸過多)などの経験は、すべて肥料の量が多いことが原因のようです。

( トウモロコシ 追肥 )
(葉物追肥 両側にばらまき土をかぶせる )

6.元肥150g前後、1回の追肥20~40g程度、私の手ばかり量の基本です

各都道府県単位の施肥基準を参考にするのもひとつですが、実際は自分の経験が最大の適量です。なぜならば、良くも悪くも、それなりに収穫の経験をしているからです。

すべて枯らしてしまった、ぜんぜん大きくならない、こんなことが続かないかぎり、畑の土はなんとかなっています。野菜にとって自分の与えている量が、あたらずといえども遠からず、それほど見当が外れていない適量だといえます。なぜならば、畑のやりかたに正解は無いです。

それだけですと無責任になりますので私の与える手ばかり量を説明します。これは、普通化成肥料の代表である成分量8-8-8 (窒素 8%、りん酸 8%、加里 8%)粒状の肥料です。

私の与えかたの基本パタン

(1) すくいあげ 60g 程度(n=100 平均61g 標準偏差 6  49~72g)片手ですくいあげる

(2) ひとにぎり 40g 程度(n=100 平均38g 標準偏差 2  33~41g)

(3) ひとつかみ 20g 程度(n=100 平均19g 標準偏差 1  18~21g)

 (女性の方は7割程度の量としてください)

※肥料には化成肥料や有機肥料、粒状の粒の大きさの違い、粉末などいろいろなものがあります。簡単に言えば比重がすべて違いますので、一律にひとつかみ何グラムとは言えないですので注意。

※与える量は、1平方メートル(1m×1m)あたりの量が基本です。1mは歩幅で調整してください。株の周囲については、1mに固執せず、1株単位や、株と株の合間などを考えながら自由に与えて大丈夫、厳密にしてもさほど影響はありません。あくまでも目安として与えることを重視。

※元肥は、ナス、サトイモは溝を掘り肥料をばらまき土をかぶせます。他はすべて全層で同じ量をばらまく。

※追肥の与える位置は、1回目は株の周りにパラパラとほんの少しでもよいです。2回目からは根から離して距離をとってまくことを忘れないように。根は肥料のあるところに伸びていきます。

具体的に説明いたします

(1)元肥、1平方メートルあたり150g前後バラマキます

( ざっとすくいあげるだけ )
  • 手のひらですくいあげるようにして、円を描くような感じでまき散らします
  • ひとすくいはおおよそ60g程度 (50g~70g)
  • 1mの歩数は、狭くは3歩、少し広くは2歩程度、歩きながら2~3回程度バラマキます
  • 精度はちっとも気にしなくてよいです。あくまでも目安です
  • エダマメなど、肥料を必要としない野菜以外は、すべて同じ量を与えています

(2)追肥、株の両側にあたえる場合は、片側1mあたり40gを混ぜ込みます

( つかみとる )
  • 5本指と手のひらでつかみ取り、ひとにぎりがおおよそ40gです
  • 片側1mにパラパラとまくか、浅い溝にばらまきます
  • 株から20~30㎝程度離して、土に混ぜ込む、土をかぶせるなどしてください
  • マルチをしていないすべての野菜にします
  • 追肥で、ナスなどの畝と畝の間が広い場合にもまき散らしてください

(3)追肥、ひとつかみ20g、株周りにパラパラ、マルチの上などから押しこみます

( ひとつかみ )
  • つかみとり、5本の指だけでつかみます。ひとつかみがおおよそ20gです
  • 株の周りにパラパラとばらまく、マルチの上から押しこむなどです
  • ダイコンやハクサイなどは株と株の間、手前側正三角形の先端▼に押し込んで充分です

 

厳密に考えることは不要です。なぜならば、土壌の性質はさまざま、一律ではありません。意外と許容範囲が大きいともいわれます。それなりの量で経験を増やしていくことこそが大切になります。

7.与える肥料、手ばかりで自分の目安を調べておくことが大切です

与える肥料の目安を知っておくことは大事なことです。私は、化成肥料、有機配合肥料、石灰を手ばかりで把握しています。精度は悪くてもよいです。この程度与えればほぼ大丈夫、その量を手ばかりで覚えておくことが大切です。

◎手ばかりについて私の調べ方、ざっとで大丈夫

  1. 肥料、計量器、ビーカーなどを準備します。私の計量器は、TANITA クッキングスケール 最小表示1g、最大計量2㎏。
  2. 計量器に1円玉を載せ、1枚が1gかどうか確認して下さい。50円玉は4gです。
  3. ビーカーにひとつかみのやり方で、10つかみ入れます。計量します。これを10回くりかえします。100回つかんだことになります。これの平均値を計算してください。エクセル関数で一発で統計処理ができます。

このようなやり方で、肥料の種類ごと、自分に適したつかみ方で、データをとってください。1~2回程度のサンプルではバラツキが大ですので、サンプル数は多くしてください。

肥料の特性を知り、上手に使い分けることがポイントと云われます。でも、肥料種類は200位あり難しいです。ほんらいならば、野菜によって肥料の成分量を変えたり、元肥重点、追肥重点、与える位置を変えていくなど、肥料の扱い方は奥が深いです。

私は肥料の適量は考えたことは有りませんでした。何も考えずに親から教えられたとおりに20年もやってきました。実際に与えた量は、施肥基準からみれば2~3倍ほど多いかもしれません。でも、収穫の良し悪しはあっても、それで大きな問題が発生したという認識はありません。12月~4月頃まで、積雪期の畑は休眠していることがよい影響を与えているのかもしれません。

野菜づくり、細かいことは知らず、慣行的にやっています。これでも野菜づくりはなんとかなるという証でもあります。今回記事を書くにあたり多くのことについて認識を新たにしました。肥料の重さを調べるなど考えてもいませんでした。

重さを量ることは自分の目安を知るよい機会です。肥料は多く与えることで何となく安心感を持ってしまいますが、最小限で良いということを実感するには、自分で量ってみるのはよい機会だと思います。

8.肥料は、必要とするタイミングに、必要とする位置に与えます

与える量の目安が分かれば、次は必要とするタイミングに必要とする位置に与えます。

元肥のタイミングは、有機肥料、化成肥料ともに種まきや苗の植えつけ1週間前までに与え、できるだけ土になじませておくことが理想です。時間的余裕がない場合は、堆肥、肥料、種まきや苗の植えつけと同時にやっても問題はありません。

化成肥料は消石灰や生石灰と一緒に土に混ぜないようにしてください。化学反応でアンモニアガスが発生し野菜の障害につながります。

追肥のタイミングは野菜が必要とするとき、見極めには経験が必要です。一般的には定植後、20日~30日ぐらいに1回目が多いです。その後、肥料の量を少なくし2~3週間ごとに追肥します。たいていは2回で終わりです。肥料が欲しいキュウリやナスなどは2週間に1回程度の追肥です。

必要とする位置は、株からそれなりの距離を離して少ない量をまくこと

元肥は、畝を作る前であれば前面にばらまいて耕し、畝たてをします。ナスやサトイモなどは溝をほり肥料を与えて土をかぶせます。その上に種まきや苗の植えつけをします。

追肥は、根の先端が望ましいです。葉の下あたりまで根は伸びていますので、そのあたりにまいてください。株間を利用して穴に埋め込む、畝の両側に溝を掘って肥料をばらまき、土をかぶせてもよいです。

追肥は、形はどうであれ、野菜が小さいうちはパラパラとほんの少し、2回目以降は株から離して適当にまいておくだけで肥料効果は十分。追肥は雨が降る前がベスト、降らない場合は追肥後に水をかけておくと効き方が速い。とにかく多くまかないこと、少なくても野菜は育ちます。

( ナスの元肥 溝を掘る )
( ナス追肥 通路に888をばらまく)

9.私の畑の肥料は、有機質肥料と化成肥料ひとつずつです

( 化成肥料 8-8-8 )
( 有機肥料 そ菜2号 13-8-10 )

私の畑の肥料は、有機質肥料と化成肥料ひとつずつです

肥料の与えかたの基本は、土壌診断を行い、足りない成分を補うことです。必要な肥料は人によって、畑によってそれぞれ違います。自分の肥料は自分で探すのが基本ですが、家庭菜園程度では、こんなことはできないです。

なぜならば、家庭菜園で土壌診断まで行うことは少ないです。肥料の種類は200種類ほどあり、自然環境や育てる野菜も、お店に置いてある肥料の種類も違います。そのなかから自分に合った肥料を探すのは容易でないです。

肥料を探す方法のひとつは、JAグリーン、JAファーム、農家のお店などから、いちばん売れている肥料を教えてもらうこと。あるいは、となりの畑から教えてもらうのがベストかもしれません。野菜の種類にあった肥料、野菜ごとに肥料を準備するなど、現実的ではありません。

肥料は元肥と追肥です。元肥の基本は有機肥料です。なぜならば肥効がゆっくりと長く続きます。多くやり過ぎても悪影響が出にくいのも特徴です。ただし価格は高めになります、よく教えてもらって比較して購入したほうがよいです。

追肥は化成肥料です。なぜならば速効性あるからです。肥効は30日程度と短いので、少しの量を何回かに分けて与えます。やり過ぎると肥料やけなどを起こしますので、量には注意が必要です。

私の肥料、元肥は有機質肥料、追肥には化成肥料です

元肥は、「有機配合肥料 そ菜2号  13-8-10」原料は植物油かす類、化成肥料など。
窒素全量 13%、 りん酸全量 8%、加里全量 10%

植物油かす類と化成肥料が含まれた有機質肥料です。分解の早い有機質から遅い有機質をバランスよく配合してあると記載されています。有機質肥料はじっくりと長い肥効が特徴ですので、春夏秋野菜、すべてに使用しています。

この肥料は、清和肥料工業株式会社の肥料です。特定農家の店に専用受注品のようです。

追肥は、「普通化成 8-8-8+2.0」、アンモニア性窒素 8%、く溶性りん酸 8%、水溶性加里 8%、く溶性苦土 2%の普通化成肥料です。

く溶性りん酸、く溶性苦土、く溶性とは、水ではなく、根酸(有機酸)による溶解のため、根の生長にあわせて穏やかに長く効くのが特徴です。この肥料は一般的に使われている肥料で、オール8とも言います。元肥にも追肥にも使用できます。

市場に出ているのは、オール14(窒素 14%、りん酸 14%、加里 14%)も多いです。価格も8-8-8よりも安い場合があります。ただし、肥料の濃度が8-8-8より1.7倍も濃くなりますので、量は8-8-8の半分程度になります。少量を均一にまくのは難しいので、8-8-8の方がおすすめです。

肥料はだんだんと高価になっています。有機肥料は10~20㎏ 2000円以上、化成肥料は20㎏ 2000円以下のものを使用していましたが。2023年は3割以上高くなってしまいました。高価だからよいとは必ずし言えません。追肥などはタイミングよく、雨の降る前に与えておくと効果的です。

10.まとめ

  • 肥料の与える量は、最小限が鉄則です。なぜならば、多量に与えると「つるぼけ」や「肥料やけ」が発生する場合があること。病害虫の原因にもなりやすいので注意が必要です
  • 肥料を与える量は、経験値がいちばんで、手でつかめる量が目安でよいです。なぜならば、収穫を経験しており、その量はあたらずといえども遠からず、それほど見当が外れていない適量だからです。
  • ひとにぎり、ひとつかみ、自分でどの程度の量になるのか計量しておくと役立ちます。少なく与えることは意外とできません。計量することで、少量とはどの程度の量なのか実感できます
  • 野菜にあわせて肥料を準備するのはたいへんです。元肥で有機質肥料、追肥で化成肥料、あるいは元肥も追肥も化成肥料だけでも十分です

ご訪問いただきありがとうございました。

最新の記事